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後遺障害裁判例

01最高裁平成8年4月25日判決 民集50巻5号1221頁

後遺障害の症状固定後に死亡した被害者について、症状固定日から67歳までの逸失利益を肯定した例

事案の概要

国道を走行中の加害車両(大型貨物自動車)が、凍結したカーブを時速60キロメートルで走行中、そのカーブを曲がり切れずに対向車線に飛び出し、対向車線を走行してきた被害車両(普通貨物自動車)に衝突しました。

そして、被害車両に同乗していたXが、脳挫傷、頭蓋骨骨折、肋骨骨折等の傷害を負い、精神・知能の傷害、左腓骨神経麻痺等の障害が残りました。

Xは、症状固定日後も上記事故以前のような就労が可能な状態ではなかったため、リハビリを兼ねて自宅付近の海へ行って貝を取る生活をしていたところ、症状固定日の6日後に海中で心臓麻痺を起こして死亡しました。

判決のポイント

本判決は、「交通事故の被害者が事故に起因する傷害のために身体的機能の一部を喪失し、労働能力の一部を喪失した場合において、いわゆる逸失利益の算定に当たっては、その後に被害者が死亡しても、右交通事故の時点で、その死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来における死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情がない限り、死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきものではないと解するのが相当である。」と判示していますが、その根拠として、「労働能力の一部喪失による損害は、交通事故の時に一定の内容のものとして発生しているのであるから、交通事故の後に生じた事情によってその内容に消長を来すものではなく、その逸失利益の額は、交通事故当時における被害者の年齢、職業、健康状態などの個別的要素と平均稼働年数、平均余命等に関する統計資料化等から導かれる就労可能期間に基づいて算定するべきものであって、交通事故の後に被害者が死亡したことは、前記特段の事情のない限り、就労可能期間の認定にあたって考慮すべきものとはいえないからである。」と判示しました。

また、「交通事故の被害者が事故後にたまたま別の原因で死亡したことにより、賠償義務を負担する者がその義務の一部または全部を免れ、他方被害者ないしその遺族が事故により生じた損害の填補を受けることが出来なくなるというのでは、衡平の理念に反することになる。」とも判示しています。

この事案では、不法行為により負傷した被害者がその後死亡していますが、加害者の責任は被害者の死亡による責任にまで及ばない(交通事故と被害者の死亡との相当因果関係がない)とされているので、加害者は、被害者の負傷による損害について損害賠償責任を負うこととなります。この被害者の負傷による損害に関して、後遺障害による逸失利益(後遺障害がなければ得られていたであろう収入等の利益)をどのように算定するかが問題となりました。

すなわち、被害者が死亡している以上、賠償されるべき逸失利益は死亡時までの分に限られるのか、それとも死亡の事実を考慮せずに就労可能期間を認定して逸失利益を算定すべきなのか、という問題です。

この問題に関して、最高裁は、損害が交通事故のときに既に発生していると捉えており、後発的な事情(本件でいうと、交通事故と無関係な被害者の心臓麻痺による死亡)は、基本的に被害者の受けた損害に影響しないことということになります。

さらに、交通事故の加害者がたまたま被害者が別の原因で死亡したことで賠償責任の一部を免れることは衡平に反するとしています。

加害者からすれば、事故とは無関係に被害者が死亡した場合でも、死亡後の分まで逸失利益を支払うことについて躊躇を覚えるのはたしかであり、本判決のような判断をすることが常に「衡平」の理念に沿うかどうかは考える余地があります。

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